なごやんの鉄道日記(22)

第22回は。 私にとってはかつての地元です。 
私は岐阜で社会人としてのスタートを切りました。岐阜は木の国、山の国です。それはまた昆虫の宝庫でもあります。
今回は路線を辿るとともに私の昆虫日記のごく一部を紹介します。切符と昆虫のオンパレードです。
図はサムネイルとはいいませんが、かなり小さくしてありますので、是非してください。旧国鉄の切符に、使用済にもかかわらず「無効」印がないなんて、今では信じられません。よくこんな切符をとっておいたものです。(自分で感心してどうする!?)
 
  ①高山本線、②太多線、③明智線、④越美南線、⑤樽見線です。
 
【高山本線】
岐阜県の県都、岐阜市(岐阜駅)と富山県の県都、富山市を高山を経由して結んでいます。非電化区域で単線の部分もあり、本線とはいってもJR東海の地方交通線に甘んじています。
しかし、風光明媚なこの路線は観光客の人気を集め、特急ワイドビューひだは通常名古屋起点とし、中には岐阜から大阪へ向かう列車もあります。
1963年1月北陸豪雪の際には太平洋側と日本海側との交通が次々に遮断される中で、高山本線だけがただ1つの交通路として両地域の運送を一手に引き受け、これは今なお伝説として受け継がれています。
 
    岐阜駅に勢揃い
岐阜駅に入線するワイドビューひだ     これから高山へ向けて発車        普通列車のキハ11形
 
高山行きの切符は1月のものですので、タブン、流葉へスキーに行った時のものだと思います。
   流葉スキー場のリフト券
 
高山本線沿線へはまた、よく昆虫採集に行きました。特に春、この地方は魅力いっぱいです。
写真のウスバシロチョウは見かけと名称からモンシロチョウの仲間と思われがちですが、れっきとしたアゲハチョウの仲間です。春、わずかの間だけ姿を見せます。全国に分布している種ですが、奧美濃~飛騨では特によく見られるような気がします。ネギボウズに舞い降りる姿はなんとも優雅です。
チャマダラセセリは産地が局所的に点在し、なかなか見ることができません。高山市の一部に産地があります。これも春、数週間だけ飛び回ります。
   ウスバシロチョウチャマダラセセリ
 

以前、高山本線には「のりくら」、「たかやま」といった急行が走っていました。高山まで行かなくても、七宗町へはしばしば行きました。上麻生で下車し、飛騨川の支流をさかのぼり、追洞(おっぽら)付近がフィールドでした。
羽をキラキラ輝かせながら忙しそうに飛び回る野生のウラギンシジミはここで初めて見ました。日本に住む最大級のカメムシ、オオヘリカメムシを初めて捕ったのも七宗町でした。
     ウラギンシジミオオヘリカメムシ
 
【太多線】
美濃加茂市の美濃太田駅と多治見駅とを結ぶ全長17.8kmの地方交通線で、全線非電化単線です。近年、この地域は住宅開発が進み、あちこちで団地が作られています。
下の切符にある広見は沿線の可児市の中心集落名で、現在では可児駅になっています。かつてはこのあたりは里山で、さまざまな昆虫が見られました。日本最小のトンボ、ハッチョウトンボもそのひとつです。今はどうなっているのでしょうか?
太多線の終点、美濃加茂市地内でウシカメムシを発見しました。形が牛の顔に似ているのでこの名前が付けられましたが、比較的稀な種で、私もこの1頭しか持っていません。生態は完全には究明されていません。
    ハッチョウトンボウシカメムシ(牛の顔に見えますか?)
 
可児市は名古屋のベッドタウンで、この地区にも名鉄が乗り込んでいます。可児市には工業団地があり、可児町が可児市になったのを記念し、名鉄では金属製の切符を発行しました。常滑焼きの切符同様、110円と書いた紙を剥がせば使用済みになります。
   可児市誕生記念のメタル切符
 
【明智線】
現在は明鉄道になっていますが、かつては国鉄明線でした。恵那市の恵那駅から同市明智駅(旧、明智町)を結びますが、途中、中津川市を通ります。1985年に国鉄から第三セクターの明知鉄道に移管されました。
第三セクターに移行された鉄道会社の多くがそうであるように、明知鉄道も経営難に苦しんでいます。地元人口の減少が根幹にあります。これを打開するための一策として、会社は2011年以降にDMV(Dual Mode Vehicle)の導入を考えているようです。バスの機能を利用し、旅客をドア・トゥー・ドアの移動に近づけようというのです。
 
この路線の途中に阿木という駅があり、そこからは根ノ上高原へ行くことができます。また、阿木方面から胞山(恵那山)へ行くこともでき、私は胞山の麓でヒメオオクワガタを見つけました。オオクワガタを幾分か小さくしたような感じですが、個体数はオオクワガタと比べ圧倒的に少なく、希少価値としてはこの種の方が上です。私も写真の個体1頭のみしか保有していません。ヒメオオクワガタを見つけたその時はオオクワガタ?と思っていましたが、帰って調べヒメオオクワガタと知りました。もっと調査しておけばよかったと思ったものです。クワガタは一般には人気がありますが、私はあまり得意ではありません。
晩夏にはやや高山地性のキベリタテハ(黄縁立羽)も優雅な姿を現します。アカタテハやルリタテハ等と異なり、バタバタ激しく飛び回るのではなく、グライダーのようにスーッと舞います。英語ではCamberwell Beauty と呼びます。英国土着種ではありませんが、大陸から飛んできて、最初に見つかったのがロンドンのテムズ川南、キャンバーウェルだったからです。米語ではMourning Cloak と言います。羽の色と周りのうす黄色の縁を喪服(モーニング)に見立てています。
   珍しいヒメオオクワガタと人気抜群のキベリタテハ
 
【越美南線】
福井(越前)と岐阜(美濃)を結ぶ旧国鉄の路線として建設がスタートしました。福井県側は越美北線として、岐阜県側は越美南線として機能していましたが、両路線は結局県境をまたぐことはなく、北線はJR西日本に留まったものの、南線は国鉄民営化を前に第三セクターの長良川鉄道に移されました。高山本線、太多線と合流する美濃太田駅から郡上八幡美濃白鳥を経て北濃へつながります。美濃地方にあっても奧美濃と呼ばれるこの地域は、冬には豪雪となることもあります。夏、郡上八幡で行われる郡上祭りの「徹夜踊り」は有名で、全国から観光客が押し寄せます。
途中の湿地帯にはヒメシジミが舞い、長良川の清流流域をスイスイ飛ぶカワトンボとともに、昆虫愛好家にとっても魅力的な場所です。
北濃は国鉄時代にも終着駅でした。写真はその一歩手前、美濃白鳥で捕ったオオツノトンボです。長い触角が特徴です。トンボという名前がついていますが、トンボの仲間ではなく、むしろウスバカゲロウに近い種類です。比較的個体数の少ない種です。
   オオツノトンボ(トンボの仲間ではありません。)
 
【樽見線】
旧国鉄時代には大垣から福井県を経て金沢へ至る鉄道路線として建設されましたが、その計画は達成されることなく、現在では第三セクターの「樽見鉄道」によって運営されています。
大垣から谷汲を通り樽見(本巣市)へ通じています。途中の水鳥(みどり)から水鳥谷(みどりだに)へ入ると栃の木林があり、そこはスギタニルリシジミの産地でもあります。成虫の現れるのは春、超一瞬ですので、時期を見計らい、冬眠開けのツキノワグマに注意しながら捕ります。
また、途中の谷汲はギフチョウの産地として有名です。ちなみに、ギフチョウは1883年にこの近辺、岐阜県郡上郡(当時)で採集されたことにちなんで付けられた名前です。その採集者は名和靖さんで、現在岐阜公園内にある名和昆虫館は彼の子孫によって継がれています。

ギフチョウは春、ほんのわずかの間だけ姿を見せます。山形県以南で食草のカンアオイのあるところに住んでいますが、開発とともに個体数が極端に少なくなっているようです。北部東北以北では近似のヒメギフチョウが棲息しています。
     スギタニルリシジミと「春の女神」ギフチョウ
 
さて次回は東北本線です。長い鉄路ですので何か話題はあるでしょう。
 
昆虫採集は時として自然破壊として批判の対象になりますが、これまで普通の採集の影響を受け絶滅した昆虫は知られていませんし、多くの昆虫愛好者は自然をとても大切にしています。昆虫が激減している原因の多くは「開発」であったり、台風、洪水等の自然(一部人為的)災害でであったりします。
広告
Post a comment or leave a trackback: Trackback URL.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。